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平成27年東京農工大学編入試験問題解答 電磁気学 回転するコイルの電磁誘導

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ローレンツ力の公式から\begin{eqnarray}\vec F=q\vec v\times\vec B\end{eqnarray}

 

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まず\(t\)秒後の\(l_{1}\)の位置\(\vec x=(x,y,z)\)を求める。

問題の位置の電子は\(y\)軸を軸に回転運動をしていることがわかる。問題文より、その電子の初期位置は\(x=(x,y,z)=(-l,l_{1},0)\)であるので、

\(t\)秒後の位置xは

\begin{eqnarray}\vec x=(-l \cos{\omega t},\ l_{1},\ l \sin{\omega t})\end{eqnarray}

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位置が求まったので

\begin{eqnarray}\vec v = (v_{x},\ v_{y}, \ v_{z})&=&\frac{d\vec x}{dt}(-l \cos{\omega t},\ l_{1},\ l \sin{\omega t})\\&=&(\omega l\sin{\omega t},\ 0,\ \omega l \cos{\omega t})\end{eqnarray}

 

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磁束密度\(B\)は\(+z\)方向にかかっているため成分は\(\vec B=(0,0,B)\)であるので、ローレンツ力の公式より

\begin{eqnarray}\vec F &=& q\vec v\times\vec B=-e(v_{y}B_{z}-v_{z}B_{y},\ v_{z}B_{x}-v_{x}B_{z},\ v_{x}B_{y}-v_{y}B_{x})\\&=&(0,\ eB\omega l\sin{\omega t},\ 0)\end{eqnarray}

 

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(3)と同様な手順で求めると\begin{eqnarray}\vec F &=&(0,\ -eB\omega l_{2}\sin{\omega t},\ 0)\end{eqnarray}

 

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(3)(4)の結果から、各コイルの素片は\(\pm y\)方向のローレンツ力が加わっていることがわかる ここで、辺ab上の1つの電子にかかるローレンツ力と静電気力の関係は \begin{eqnarray}F_{ab}=-eE_{ab}\end{eqnarray} つまり次の関係式が成り立つ \begin{eqnarray}-eE_{ab}&=&eB\omega l_{2}\sin{\omega t}\\E&=&-B\omega l_{2}\sin{\omega t}\end{eqnarray}

辺abは電場が連続で同じ方向にかかっているため、力に逆らう方向(bからaへ)までを積分することで電位\(V_{ab}\)が求まる \begin{eqnarray}V_{ab}&=&\int_{2k}^{0}E_{ab}dy=E_{ab}\cdot-2k\\&=&-B\omega l\sin{\omega t}\cdot -2k\\&=&2klB\omega\sin{\omega t}\end{eqnarray} 辺cdも同様に、力の方向が逆になることに注意して(つまりdからcへ積分して)

\begin{eqnarray}V_{cd}&=&\int_{0}^{2k}E_{cd}dy=E_{cd}\cdot 2k\\&=&B\omega l\sin{\omega t}\cdot 2k\\&=&2klB\omega\sin{\omega t}\end{eqnarray} 一方、辺ad,bcの各素片は力の方向に電子が連続していないため、電位は0
なお、電位はスカラー値なので足し合わせることが出来るので \begin{eqnarray}V&=&V_{ab}+V_{cd}+V_{ad}+V_{bc}\\&=&2klB\omega\sin{\omega t}+2klB\omega\sin{\omega t}+0+0\\&=&4klB\omega\sin{\omega t}\end{eqnarray}

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まず磁束\(\Phi\)を求める。コイル内を貫く磁束密度\(B\)は一定であるが、\(B\)に垂直なコイルの面積は\(t\)で変化する その面積\(S\)は \begin{eqnarray}S&=&2k\cdot 2l\cos{\omega t}&=&4kl\cos{\omega t}\end{eqnarray} よって \begin{eqnarray}\Phi=BS=4klB\cos{\omega t}\end{eqnarray}

ファラデーの電磁誘導の法則より、 \begin{eqnarray}V=-\frac{d\Phi}{dt}=4klB\omega\sin{\omega t}\end{eqnarray}

電磁誘導の場合、電流によって発生する磁界が磁束の増加を妨げる方向になるように電圧が働く。\(t=0\)でコイルは\(xy\)平面に並行=最も面積が大きい時であり、\(0<\omega t<\frac{\pi}{2}\ ,\pi<\omega t<-\frac{3\pi}{2}\)の時に面積は減少、つまり磁束の大きさが減少していく。磁束の減少を妨げる向き(つまり+z方向に磁束がかかるような電流の向き)に電圧がかかるため、電圧は反時計回り。

つまり[1](5)と[2]の電圧は-をつける。

 

電磁誘導の補足

磁場の中で導線を動かす → ローレンツ力により電荷の分布が偏る → 電場が発生する → その電場の大きさはローレンツ力の大きさ、つまり vB の大きさにに比例する → 電場に距離を掛けると電位差(起電力)になる → 誘導起電力の大きさは V = vBl である

 

この問題はここ10年くらいの農工大電磁気学で一番面倒だと思いました。

出来るだけ丁寧に説明しようと思いましたが、自信がありません。

分からないところがあればコメント欄等で質問ください。